一瞬、凪が目を見開いたのを私は見逃さなかった。
しかし、それはほんの一瞬のことで…。
気づけばすぐに、いつもの余裕そうな表情に戻っている。
「はは。柚葉ちゃんって鋭いな〜。そう、実は芽亜里のことなんだけど、アイツはヴァンパイアとは一切関係ない普通の人間なんだ。それに僕がヴァンパイアってことも知らないからさ。余計なことは言わないでほしくて」
顔は笑っていて、口調もいつも通りだが目の奥が笑っていないような気がして私は小さく息を呑んだ。
それにしても…。
「じゃあ…藤峰の現当主は人間を後妻に?純血のヴァンパイアが…?」
信じられないという風に私はパチパチと、目をしばたたかせる。
「うちの父親、変わってるからさ〜。子どもの僕は苦労させられるんだよ?まぁ、翔月くんも、怜也くんの所もそれぞれ大変みたいだけど」
「…わかりました。とりあえず、芽亜里ちゃんにはヴァンパイアの話は秘密なんですね」
私のその言葉に凪はコクリと頷き「物分りが早くて助かるな〜」と言い放つ。



