「あの。さっきから…意味がわかんないんですけど…気配とか何のことだか…。具合が悪くなったのはたまたま、立ちくらみがしただけで…」
内心、苦しい言い訳だと思ったが素知らぬ顔でそう答えた。
「へぇ〜。ここでしらばっくれるんだ。わりと肝すわってるねー。いいじゃん、僕、そう言う子好きだよ」
一瞬、目を見開いた金髪の少年はクスッと小さく微笑むと。
「ねぇ、翔月くん、怜也くん。この子僕にちょうだい?少し味見したいな〜」
残りの2人に向かってそんな提案をし始めるものだからサーッと血の気が引く。
「ダメ。凪はやりすぎちゃうから」
「怜也くん、ひどーい」
「怜也の言う通りだな。お前はタカが外れると自制効かないからな」
そんな彼等のやりとりを私は内心、ハラハラしながら聞いていた。
とりあえず、金髪の子には注意しといたほうが良さそう…。
"やりすぎちゃう"だの"自制が効かない"だの恐ろしい発言に違う意味で具合が悪くなりそうだ。



