「怖がんなくて大丈夫だよ。君にちょっと話聞きたいだけだから。翔月くん、早く〜」
そう言って、誰かの名前を呼ぶ金髪の少年はベッド周りのカーテンをゆっくりと開けた。
すると。
「起きたか…。お前、俺たちの気配感じ取ってたよな?何者だ?」
そう問いかける彼を見て、体が強ばってしまう私。綺麗な漆黒の瞳に吸い込まれそうになり、思わずサッと視線をそらした。
やっぱり、この気配…強すぎる。
ダメ…逃げないとなのに。
頭がクラクラして…。
うっ…と口もとを押さえ、私が耐えていると。
「…翔月、気配出しすぎ。さすがに彼女がかわいそうだからやめてあげなよ。ほら、凪くらい気配ころして?」
漆黒の彼から少し離れた椅子に座っていた、灰色の瞳の青年が嗜めるように声をかけてきた。
「そうだよ〜。翔月くんってばダダ漏れすぎ!このくらい近づいても悟られないようにするのがプロでしょ?ね?君もそう思わない?」
…!?
いつの間に距離を詰めたのだろうか。
さっきまでカーテン付近にいた金髪の少年が私の真横に佇んで、軽く肩に手をかけるものだから驚いてビクッと反応してしまう。



