「へぇ…。じゃあ、知らないのもしょうがないか…。親切で教えて上げるけど、あなたの横にいるその子、関わらないほうが身のためよ?」

「どういう意味…?」

クスッとあざ笑うようにそう言い放ち、彼女は視線を芽亜里ちゃんに向けた。

「私は、北澤愛衣(あい)。藤峰さんと同じで内部組…初等部からの同級生なの。実はさ藤峰さんってぇー超がつくほど男好きでね?まぁ…その子自体も藤峰家の愛人の子らしいし、そういうのって血筋かしらね〜」

「……っ」

ケラケラと小馬鹿にしたように笑う北澤さん。それに同意するようにクスクスと笑っているのはおそらく、同じ内部組の生徒だろう。

そんな周りの反応に気分をよくしたのか、北澤さんは再度口を開くと。

「だから、関わるとろくなことにならないわよ?そうだ…!よかったら、私が友達になりましょうか?あなたすごく綺麗だし…うちのグループに入る資格十分よ」

と、私に向かってそんな提案をしてきた。

うちのグループというのは、さっきから北澤さんの後ろで芽亜里ちゃんを笑っていた彼女たちのことだろうか。

断られるはずがないと自信満々な彼女に向かって「……ハァ」と小さくため息をついた。