「申し訳ありません」

 エドムンドは、わたしがクストディオと言い合いをしている間に笑うのを止めていた。

「レディ。あなたの申し出は、おれとしても申し分なしです。ああ、そうですよね。諜報員のおれが、こんなにあっさり寝返ると言っても信じられないですよね」

 エドムンドは、なにか言いたそうにしている弟に手を上げ落ち着くよう合図を送った。

「それでは、これでいかがでしょうか。面白いことが終ったときには、報酬をいただきます。どれほどの報酬かは、おれと弟の働き如何で決めていただいて結構です。ケチで傲慢でひとりよがりなヘルマンよりかはいただけると期待しています」

 クストディオと顔を見合わせた。