「ほら、カヨ。きみの提案があまりにもバカげているから、エドムンドは笑い止まらないらしい」
「うるさいわね、クスト。バカなことを言うのは、いまに始まったことじゃないわ」
「まっ、そうだな。元婚約者にバカなことを言って婚約破棄されたのだし。まだ記憶にあたらしいよ」
「ちょっと、クスト。あれは、バカなことではないわ。事実よ。それを元婚約者のおバカが捻じ曲げただけ。それに、あなただって元婚約者に婚約破棄されたじゃない。もっとも、あなたはおバカなことを言わなさすぎたからだけど。沈黙しすぎもよくない、ということね」
「チェッ!」
 
 こういうのを傷のなめ合いっていうのかしら?

 いいえ。ちょっとしたハプニングよね。

 クストディオとわたしは、婚約破棄されて心も体も健康的になっているし。