王都に到着した。

 王都じたいは、アルファーロ帝国の帝都とさほどかわりはない。到着したのは夜だったけれど、ごみごみしたところや埃っぽい雰囲気も似ている。
 都というの、はどこも同じような感じに違いない。

 宿屋で部屋を取るのかと思ったけれど、馬車は街の中心地から外れて閑静な住宅街に入った。訂正。住宅街ではなく、上流階級の屋敷のある地域ね。
 こういうところもアルファ―ロ帝国と同じ。上流階級は、支配者に続いていい土地や便利な場所を与えられる。

 それはともかく、馬車は見張り番のいない門を通過し、驚くほどの大きさではないけれど小さくもない屋敷の前で停止した。