「もしかしたら」、などということはぜったいにないと肝に銘じておかなければならない。

 クストディオの横でそんなことまで考えると、ますます気が重くなってくる。

 しかも、彼は腹を立てている。枕で散々ぶちのめしたばかりか、心無い言葉を散々投げつけてしまったことを怒り狂っているのである。
 だけど、それもよく考えてみたらおかしいわよね。
 というか、彼ったら男のくせに心が狭すぎるわよね。

 あのシチュエーションだと、ほとんどのレディが誤解する。自衛の為に暴力に走るのは当然だし、注意や警告を投げつけるのもまた当然のこと。

 それをいついつまでも怒っているのは、心が狭すぎるわ。

 いずれにしろ気まずすぎる。

 この状態からなんとか抜け出せないかしら。

 焦れば焦るほど、いいアイデアが浮かびそうにない。