「とりあえず眠らない? ヘルマンのことも含めて、明日話しましょう」

 彼の胸元から枕を奪うとそれを長椅子に放り投げた。

 枕は、見事長椅子の上にのった。

 突っ立っているクストディオの横をすり抜け、寝台に近づくと毛布を一枚引き剥がした。

 そして、まだ突っ立ったままのクストディオを突き飛ばして長椅子まで行くと、その上に身を置いた。

 乗馬服にしておいてよかった。

 今夜は、着替える気力がない。

「おやすみ」

 毛布を広げ、頭からすっぽりかぶった。

 そして、あっという間に眠りに落ちた。

 自慢ではないけれど、寝つきがすごくいいのである。