国王を弑逆したり、それを幇助や隠蔽していたのだから、当然の処分といえば当然の処分だけど。
 まあ、相手が悪かったわね。

 だけど、わたしたちもクストディオのお母様が遺した日記に救われたようなものだけど。

 彼女は、わたしが想像していたようなレディではなかった。そのとき初めて知ったのだけれど、彼女は末っ子皇女だったらしい。上の皇子や皇女たちに揉まれるうちに、したたかで要領のいい皇女に育った。

 バラデス王国では、正妃や側妃たちからわざと虐められ、蔑まれるように振る舞った。そして、国王の同情心を買った。結果、まんまとクストディオを身籠ったわけである。

 彼女には特殊なスキルでもあったのかもしれない。例えば、未来視の能力とか。

 国王が暗殺されることを予見し、彼女は国王から離縁されることを画策した。

 しかも国王が泣く泣く、である。