アルマンドとヘルマン。そのどちらか単独か、もしくは共謀か。

 暗殺者を雇っておれたちを襲わせ、黒幕が宰相であることを知らせる。

 そのあと、おれたちが報復に出る。

 おれたちを、全面的に宰相と対決させるのだ。宰相の私兵たち対エドムンドとフェリペ。どちらかが倒れるまで。つまり、殺すか殺されるまで続ける。

 そして、自分たちが事後処理を行う。

 宰相が生き残ったとしても、難癖をつけやすいだろう。宰相という立場にありながら、血なまぐさいことをやったのだから。例の遺言書をちらつかせれば、ごまかすのが難しい。彼のやったことを堂々と公表し、断罪すればいい。

 おれが生き残ったとしたら、それはそれで潰しやすい。

 いずれにせよ、王子たちは容易に願いがかなうわけだ。

 玉座を手に入れる、という願いが。