「そうだな。では、はっきり言おう。おれの妻にしてやる。だから、おれを国王にしてくれ」
「はい?」

 アルマンドの要求にわが耳を疑った。

「ごめんなさい。情報量が多くてきき間違えたみたい」
「ごまかすなよ。ちゃんと理解したはずだ。おれが国王になる。ヘルマンも了承済みだ。カヨ。だからこそ、おまえを妻にする為にまわりくどく演じたりお膳立てを整えた」
「兄上、もういいではありませんか。こんなレディより、ぼくの方がずっと頭がいい」
「だまっていろ、クレメンテ。頭がいいだけではダメだ。わかっているだろう?」
「ですが、たかがレディです」
「いいかげんにしろ。彼女のどこがダメなんだ?」
「すべてです」

 あのー。内輪もめはやめていただきたいのですが。