事態は一変した。

 ヘルマンが勝手に情報を流していた。

 宰相にふんぎりをつけさせる為に。

 つまり、宰相におれたちをどうにかさせようというわけだ。

 ヘルマンの奴……。

 心の中で歯噛みしたところでもう遅い。

 おれたちの居場所に加え、おれ自身が国王の座に就く切り札を持っている。

 そうきけば、宰相は動かざるを得なくなるだろうか。

 逆に罠だと考えないだろうか。

 いずれにせよ、なんらかの動きはあると考えた方が無難だ。

 だから、カヨと二人で地下室にこもっているよう、エドムンドとフェリペに促された。