エドムンドとフェリペはどうしたかしら。

 あの二人は、男性でしかも名うての諜報員である。

 手荒くされていなければいいけれど。

 自分自身より彼らのことが心配でならない。

 落ち着かないので、とりあえず室内を見渡してみた。

 狭い部屋だけど、寝台とドレッサーと椅子が置いてある。窓はあるけれど、蔦が這っていて外の様子は見えにくい。それでも隙間から陽光が射しこんでいて、室内はそこそこ明るい。

 夜はきっと、わずかでも月光が射しこむに違いない。

 寝台に座ってみた。ひどく硬い。シーツと毛布、それからペチャンコの枕。

 全体的に古めかしいけれど、長期間使われていないような雰囲気ではない。塵や埃はなく、カビなどの異臭もない。

 王宮に勤めている人たちが使う部屋かもしれない。

 寝転がってみた。

 それから、これまでのことを思い返し始めた。