「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~

「おまえはいったい何者だっ」

 そのとき、アルマンドが立ち上がりつつ叫んだ。

 彼は、じょじょにうしろへ下がりつつわたしたちから離れて行く。その彼を守るかのように執事が立ちはだかった。

 くさすぎるわ。

 その彼の演技力には苦笑を禁じ得ない。

「外交官と偽り、おれに近づいたな。いったいなにをたくらんでいる?」

 うんざりだわ。

 アルマンド自身は迫真の演技だと思っているでしょうけど、わたしはそうは思わない。