「驚く? なぜかな? アルファーロ帝国の外交官に対して驚く必要があるとは思わないが。しいていうなら、外交にいっさい携わっていないおれに面会を求めてきた、というところかな」

 アルマンドは、執務机の向こうで不思議そうな表情を浮かべた。

 が、彼の青色の()は、わたしが口惜しそな表情を浮かべるのを見逃さないよう真剣である。

(やってくれたわね)

 舌打ちしたくなったのをガマンする。

 こちらが詐称したのを、まんまと利用されてしまった。

 というよりか、面識があっていろいろ話をしたという事実がなかったことにされた。

 正直、口惜しいけれどそれを表情に出して彼をよろこばせるつもりはまったくない。