その時代遅れっぽいデザインと陽に焼けたくたびれ感はさておき、とりあえずその黒色のスーツ以外には考えられなかった。

 試着すると、まるであつらえたかのようにぴったりだった。

 店主曰く、「ぽっちゃり体型のレディでも難なく着用出来ますよ」とのこと。

 店主の右頬をつねってやりたい衝動をおさえ、即決した。

 その黒色のスーツを着用しているというわけ。

 王宮の門で証明書をかざすと、魔法のように門が開いて中にいれてくれた。

 同道しているのは、もちろんエドムンドとフェリペ。

 三人で堂々と王宮に入って行った。