ヘルマンは、第二の隠れ家とやらに去ってしまった。

 一方、わたしたちは敵にいつ襲われてもいい状況の中で夜を明かさなければならない。

 敵というのは、宰相が委託なり雇うなりした暗殺者たちのことである。

 ヘルマンとアルマンドの思惑通り、宰相がほんとうにそういう荒っぽい連中を差し向けたらの話だけど。

 すくなくとも、ヘルマンとアルマンドは、クストディオとわたしは宰相の手の者に襲われ、うまくいけば殺されると思っている。

 というか、殺されて欲しいと願っている。

 共闘するはずなのに。

 結局、彼らはわが身可愛さに高みの見物を選んだ。