「会っていただきたい人物がいます」

 エドムンド・レンテリアが街に入ったタイミングでそう切り出した。

 陽光の下、彼の左頬の刃傷は白く浮かび上がっている。

「だれだ?」

 クストディオが尋ねた。

 街に入る手前で馬を降り、それぞれ馬の手綱をひいている。

「あなた方の味方です」

 エドムンドのその答えは、胡散臭くしかきこえなかった。

 すくなくとも、わたしにはそのようにきこえた。

「味方?」

 どうやらクストディオも胡散臭くきこえたらしい。

「あなたを迎えに行くよう命じた方です」
「なるほど。あなたの飼い主というわけね?」

 わざと皮肉っぽく言ってみた。

 だってそうでしょう?