だが、同時に危惧の念を抱いた。

 第一王子アルマンド・サルディバルもまた、カヨの魅力に魅せられたのだ。

 まず間違いないだろう。

 恋する男は、レディ同様こういう勘が鋭くなるのだ。

 それとは別に、アルマンドはカヨとおれが夫婦ではないことにも気がついている。おれたちが夫婦を装っているということに、彼は気がついている。

 というよりかは、調べさせたかなにかで情報を得ているのだろう。

 その上で、彼はおれにアピール、もしくは挑戦状をたたきつけているのだ。

『機会があれば、カヨをモノにしてやるぞ』

 そんなふうに。

 これでまた、ライバルが増えたわけだ。