が、彼女が言っていた。

 おれとは腐れ縁、だと。

 カヨは、やはりおれをそんなふうにしか見ていないのだ。

 腐れ縁、か。

 ショックがジワジワと体内に広がって行く中、顔は無理矢理ポーカーフェイスを保ち続ける。それもかぎりがあるだろう。それでもがんばった。

 いつかきっと、彼女に想ってもらいたい。

 おれとずっといっしょでよかった、と。おれは唯一無二の存在だ、と。

 おれは、ガラス扉から庭へと出た。

 心の中で気合いを入れながら。