きっと断られると思った。

 おれみたいな「はぐれ王子」に剣などまともに扱えるわけがないとか、気まぐれで剣を扱えるほど(それ)の道はやさしくないとか、そのように思っているに違いないから。

 だから、断られることを覚悟していた。

 本心は、奇蹟的にも「教えてやろう」という回答だとラッキーだという程度にしか期待していない。

 したがって、「いいですよ」と快く引き受けてくれたときには、逆に驚き戸惑ったほどだ。

 そういうわけで、さっそく指南を受けた。が、二人とも教え方がうまいことに驚いた。

 剣をうまく振る、あるいは完璧な技を使うということにおいて、ちゃんと出来るやり方を教えてくれるのだ。

 つまり、コツだ。

 だから、自分でも驚くほど剣を振れるようになった。これまで書物や近衛兵や兵士たちの練習を盗み見して独学で練習してきたのは、いったいなんだったのだろう?

 そう問いたくなるほどだ。