結論を言うと、バカバカしい事態に陥っていた。

 訂正。「バカバカしい事態」というのは、わたし個人的にとってはという意味である。

 わたしたちにとっては、けっしてバカバカしい事態ではない。むしろよろこぶべき事態と言ってもいい。

 居間に行くと、クストディオと第一王子はすっかり打ち解けていた。

 お酒を飲んでいるわけでもないのに、陽気に会話を交わしている。

 居間に入った瞬間、その和やかで友好的な雰囲気を目の当たりにして目を疑ってしまった。

 エドムンドとフェリペも同様だった。三人で扉のところで唖然としてしまった。

 わたしたちがいない間に、クストディオと第一王子は殴り合いでもしたのかしら?

 書物では、男性どうし殴り合いをすることで仲良くなったり分かり合えたり、という場面が描かれている。

 そういうパターンかと思ってしまった。

 とりあえず、わけがわからないままクストディオの隣に座った。その間に、フェリペがクストディオと第一王子とわたしにお茶を注いでくれた。そして、彼とエドムンドはわたしたちのうしろに立った。