気がついたら、厨房内を行ったり来たりしていた。

 これは、癖のようなものかしら。

 なにかを考えたり思ったりするとき、じっとしていられないのである。

「向こうがそのつもりなら、こちらもそれ相応の対応をしないとね。いいわ。向こうの思惑を利用させてもらいましょう」

 そう決断したとき、フェリペがお茶を淹れ終わった。

 エドムンドとフェリペと三人で厨房を出て居間へと向かった。

 どういうやり取りになるのか、楽しみだわ。

 体中の痛みのことは、すっかり忘れてしまっていた。