翌朝、すっきりはっきりくっきり目覚めた。

 宰相と分かり合えることは出来なかったけれど、一応密会は終わった。その結果がどうあれ、ある種のプレッシャーが軽減されたことにより、熟睡出来たのかもしれない。

 昨夜は、居間で葡萄酒を飲みながらいろいろ話をした後に部屋に戻ってから体や髪の毛を拭き、寝台の上に倒れるようにして横たわったと同時に意識がなくなった。

 まさしく、気絶したといってもいいほど意識が途絶えてしまった。

 それから、翌朝まで一度も意識は戻らなかった。というか、目が覚めなかった。

 熟睡しまくったわけ。

 そしていま、急に覚醒した。それこそ、書物に出てくる特殊スキルの主人公が、そのスキルに不意に覚醒したかのように。