しかし、彼のそんな態度を見れば、はさまずにはいられなくなったのだ。

 おれって、こんなに嫉妬深かっただろうか?

 男の嫉妬はみっともない、とはよく言ったものだ。

 が、ちょうどいいタイミングで宰相の護衛たちの出迎えを受けた。

 彼女の気がそちらに向いたので、内心で気合いを入れ直した。

 いまは、宰相との腹の探り合いに集中すべきだ。

 それがおれの本来の使命なのだから。

 というわけで、宰相に会ったが、第一印象は最悪で、別れるまでその印象が覆されることはなかった。

 訂正。どれだけときが経とうと、彼に対する第一印象の悪さを覆すことは出来ないに違いない。