「あなた、いい香りですね」
「えっ?」
「ローズティーです。濃厚な香りですわ」
「あ、ああ。そうだな」

 夫婦らしくクストディオに振ってみたのに、彼ったらドギマギしてどうしたというのかしら?

 それを横目にしつつ、カップから漂う濃厚な香りを堪能してから口に含んだ。

「美味しいですわ」
「ああ、美味い」

 クストディオも隣で感心している。

 しばしローズティーを味わい、気持ちを落ち着けた。