わたしの番がきた。
 エドムンドの忠告通り、「触らないで」とムダに清楚なレディっぷりを発揮した。そして、強面紳士たちの眉間に、よりいっそう皺をよせさせた。

 それから、エドムンドが強面紳士たちに逆にすごんで身体検査をし、やっと店内に入ることが出来た。

 宰相は、エントランスからは見えないテラス席にいるらしい。

 強面紳士たちのうしろを歩きながら、さっと店内を見渡した。

 店内もテラス席問わず、ほとんどの席が埋まっている。

 しかもほとんどの利用客がこちらを、というよりかは強面紳士たちを怖ろしそうに見ていたり、見なかったことにして視線をそらしたりしている。

 これだけ人目があれば、宰相も強面紳士たちに手荒なことをさせるような暴挙には及ばないはず。

 この環境を前向きにとらえることにする。