「とはいえ、本気でなにかを仕掛けてこようと思えばいくらでも方法はあります。どうか油断はされませんよう」

 エドムンドの忠告に、あらためて気を引き締める。

 彼は、カフェに出発する前にナイフとそのナイフを装着する為のレッグホルスターを手渡してくれた。

 レッグホルスターは、足首よりすこし上あたりに装着した。

 アルファーロ帝国からバラデス王国までは馬でやって来たこともあり、ずっと乗馬服ですごしている。というよりか、ズボンの方がすごしやすいからそのままでいる。

 今日もドレスではなく、乗馬服で行くことにした。

 持参しているドレスは派手ではない。もともと衣服にこだわりがないし、体型も顔もパッとしないから地味な方が無難だからである。

 それでも、王立公園やカフェでドレスを着用すれば目立ってしまう。というのは言い訳で、やはり利便性や快適性から、ズボン一択しかないと思っているというのが本音だ。

 ホルスターは、乗馬ズボンの裾をめくればすぐに取り外せる位置に装着した。