おれは、とことんバカだった。

 カヨを誘って葡萄酒を飲み始めたのはいいが、彼女、よりにもよって葡萄酒をくれたフェリペとエドムンドを誘おうと言い出した。

 冗談じゃない。だから反対した。当然だ。

 そして、カヨとケンカになった。

 結局、テラスでの怒鳴り合いが響き渡ってエドムンドとフェリペが駆けつけて来た。

 彼らは、彼女に声高にとっちめられているおれを目の当たりにしたわけだ。

 きっと心の中で「ざまぁみろ」と思ったに違いない。

 せっかくカヨと二人きりでしっとり飲もうと思っていたのに、彼女の怒りを買ってしまった。

 どうしてこうなってしまうのだろうな?