「エド、すまないな」

 エドムンドの様子を探りたかった。だが、彼はけっしてポーカーフェイスを崩すことはない。

「いいえ。葡萄酒を入手したのは弟ですので」
「あ、ああ、わかっている」

 腹の探り合いってやつだ。

「じゃあ、行くよ。カヨがまだ起きていればいいが。せっかくの葡萄酒だ。眠っていても叩き起こしていただくことにするよ」

 捨て台詞的に言い放ちつつ、彼らに背を向け歩きだした。

 おれってどれだけ姑息なんだ? というか、カッコをつけたがるのだ?