「エルネスト、出来ればあなたにも手を貸してもらいたい。それをいうなら、セプルベタ侯爵にも。だが、あなた自身も言った通り、いまはまだどうなるかわからない状況です。セプルベタ侯爵家子息になにか不名誉なことでもあれば、おれは詫びても詫びきれない」
「まあ、不名誉という点はかまわないがな。皇族や帝国に義理立てする必要はない。しかし、領民への義理はある。わたしたちがこうしてなに不自由なく生きているのは、領民たちのお蔭だ。わたしたちは、その領民や領地を守らなければならない。エルネスト、ここはクストを信じよう。彼ならたとえどのようなことがあっても、カヨを守ってくれる」
「そうですよ、エルネスト。カヨは、最初からクストと婚約していればよかったんだけど」

 クストディオに続き、お父様とお母様が言ったけれど、二人はクストディオを誤解している。