誓って言う。

 わざとではない。ましてや探ろうとしていたわけでもない、と。

 偶然だった。たまたまきこえてきてきた、ということだ。

 その内容については、なんとなく気がついていた。だが、なぜか悠長に構えていた。他人事のように思っていた。

 おそらく、彼らの立場、というよりかは身分から、「そんなことはないろう」とか「どうしようも出来ないだろう」、と高をくくっていたのかもしれない。そういう意味では、おれも傲慢だったのかもしれない。自分ではそういうつもりはいっさいなかったし、相手の立場や身分を蔑んだりするつもりもなかったのにもかかわらず。

 結局、おれも鼻持ちならない野郎だったわけだ。