皇都にいたときも、手紙にはかならず「なにかしでかしていないか」とか、「周囲を困らせていないか」とか、もろもろ記している。

 妹命だから、いつまで経ってもレディが嫁いで来てくれない。

 本来なら、とっくの昔に素敵なレディをむかえていてもいいはずなのに。

 まぁ、本人がむかえるつもりがないというのが、その最大の理由かもしれないけれど。

 それはともかく、お兄様はダニエルとの婚約をずっと反対していた。だから、彼に婚約破棄をされたと知っておおおろこびした。もつもと、その理不尽きわまりない理由を知り、おおいに怒ったけれど。

 いま、お兄様はわたしたちといっしょに来ると言っている。

 どうやら、先のまったく見えないわからない状況に、わたしを関わらせたくないらしい。