その夜、主寝室へと続く扉を見るともなしに見つめていた。

 居間でのクストディオの様子が気になりすぎて落ち着かない。

 クストディオのつぶやきが、いまだ頭と心の片隅にひっかかったままである。寝台に横になったのはいいけれど、眠りに落ちることが出来をうにない。結局、気がつけば扉を見つめていた。

(クストディオは起きているかしら?)

 扉をノックしたい衝動に駆られた。

(いや、どう考えてもそんなことダメよね)

 苦笑を禁じ得ない。