「いや、きみのせいではない。すまない。つい……」
「クスト……」

 気がつくと、クストディオの肩に手を置いていた。

「カヨ、同情とか憐れみとかだったらやめてくれ。母は、彼らにとってはいまでもよそ者で、その息子であるおれもそういう認識でしかない。そして、おれは彼らのことを……」

 クストディオは、そこまで言って不意に黙り込んだ。

 その彼の美貌には、いらないことを言ってしまったというような表情が浮かんでいる。