食後は、お茶とクッキーをいただきながらエドムンドとフェリペの話をきいた。

「宰相のイグナシオ・オルティスに接触しました」

 エドムンドは、ローテーブルをはさんだ向かい側の長椅子にフェリペと並んで座っている。

 彼は、お茶に口をつけないまま静かに切り出した。

「彼とは面識があります。彼も、われわれがヘルマンの下で働いているのを見ています。ヘルマンもそれを隠そうとしませんでした。われわれは、非公式の諜報員の役目だけでなくボディーガードの役目もしていますので。宰相は、われわれは王子ヘルマンの何でも屋と認識しているはずです」
「宰相は、たしか王妃のお兄様だったわよね?」
「その通りです。三人の王子たちの伯父というわけです」

 確認すると、エドムンドは頷いて肯定した。