気遣い抜群のエドムンドとフェリペは、わたしたちが彼らの帰りを待っていたと知るとすぐに夕食の準備をすると言ってくれた。

 おもわず、それを止めてしまった。

 一日中奔走してくれた彼らに作ってもらうわけにはいかない。そう考えたからである。
 一応、ここにはレディがいるのだから。まぁ別にレディでなくても、男性だって料理のひとつやふたつ出来る場合がある。

 そもそも、宮殿や街の名だたる料理店の料理人のほとんどが男性だし。

 というわけで、わたしが立候補した。

 すると、クストディオが名乗りをあげたのである。

 どれだけ負けず嫌いなの? というか、わたしのことが嫌いなわけ? そこまでケンカを売るわけ?

 売られたケンカは買わないと、よね?