不埒な上司と一夜で恋は生まれません

 


 少し話しながら漁港の方を通り、砂浜に向かった。

 今度は鳥を見て動体視力を鍛えているうちに、日も落ちてくる。

 夕日が海に映って綺麗だったが、風はずいぶん冷たく感じられるようになっていた。

「寒いか?」
と問われ、

「いえ」
と言う。

 耀が足を止めて海の方を見た。

 魚が跳ねたのが遠くに見える。

 その飛沫が夕日にきらめくのを見て、耀が目を細めたとき、和香は言った。

「この間、課長とスーパーに行ったとき、言えなかったことがあるんですけど」

 ん? と耀が振り向く。