「へえ、課長のお母様がそんなことを。 何故なんでしょうね」 母親の言動を訝(いぶか)しく思いながらも、それをネタに和香を誘えたので、まあ、ありがたかったかな、と耀は思っていた。 会社近くのガラス張りの洋食屋。 さあ、みんなに目撃してくれと言わんばかりの場所で、和香とふたり食事をしていたのだが。 残念ながら、誰も知り合いは通りかからず。 社内で和香とのことが噂になることもなさそうだった。 「よくわかりませんが。 だったら、善は急げですよ」 いや、善なのか? と思っているうちに、和香が言う。