こくんと,落ち着けるように唾が喉に流れ落ちた。
付き合ってください。
真っ白だった映像が,そう言われたことを思い出し,映す。
時間稼ぎのように絡めた両手の指が,じんわりと湿っていた。
「ごめん,なさい」
ようやく紡いだ言葉に,時間が止まったように感じる。
途端に苦しくなった呼吸が,緊張で吹き出す汗を誘った。
たとえ叶わない願いでも。
たとえ,叶わない……恋だったとしても。
ずっと一緒に生きてきたこの気持ちを,まだ手離す気にはなれない。
こんな素敵な瞬間が,もう2度と無いと。
自分の器量に誰より知っていながらも。
私はまだ,静流くんを好きでいたかった。
ごめんなさい。
2度も口にする気はない。
私は自分の胸の中でだけ,ゆっくり染み落とす。
怖くて,申し訳なくて。
今だってきっと……いつだって迎えてくれた瞳を,今は見ることが出来ない。
顔を,あげることはできない。
付き合ってください。
真っ白だった映像が,そう言われたことを思い出し,映す。
時間稼ぎのように絡めた両手の指が,じんわりと湿っていた。
「ごめん,なさい」
ようやく紡いだ言葉に,時間が止まったように感じる。
途端に苦しくなった呼吸が,緊張で吹き出す汗を誘った。
たとえ叶わない願いでも。
たとえ,叶わない……恋だったとしても。
ずっと一緒に生きてきたこの気持ちを,まだ手離す気にはなれない。
こんな素敵な瞬間が,もう2度と無いと。
自分の器量に誰より知っていながらも。
私はまだ,静流くんを好きでいたかった。
ごめんなさい。
2度も口にする気はない。
私は自分の胸の中でだけ,ゆっくり染み落とす。
怖くて,申し訳なくて。
今だってきっと……いつだって迎えてくれた瞳を,今は見ることが出来ない。
顔を,あげることはできない。



