『みんな、そんなに怖がらないで!大丈夫だから!こんなのいつものことだし、そもそも今ここに幽霊なんて映ってないでしょ?』

Mは『そのうち慣れるから』と言いながら椅子に座る。刹那、大きな異変は起きた。

『グアッ!?』

笑っていたMの顔が一瞬にして苦痛に歪む。Mは椅子から崩れ落ち、地面をのたうち回るようにしばらく動いた後、ピクリとも動かなくなった。

『えっ、ヤバくない?』

『救急車呼んだ方がいいよね?』

そんなコメントが飛び交う中、A子はジッとドアの方を見ていた。ドアがゆっくりと開いていく。その先に誰かがいた。顔は暗くよくわからないが、髪が長いので女性だろう。しかし、この家にはM一人しか住んでいない。

「誰?この女……」

A子がそう呟いた刹那、画面にノイズが走る。そのノイズが消えると、女性が少しずつ近付いてきた。そして女性の血の気のない顔が画面いっぱいに映された時、A子の耳元で声がした。

「次は、あなたのお家に棲むね」