アールとのんびり歩きつつ、公園に来ている人や動物たちを観察するのも楽しい。

 飼い主と飼い犬が瓜二つなのに笑ってしまったり、逃げだした飼い猫に手を焼いている飼い主を気の毒に思ったり、仲睦まじい老夫婦をうらやましがったり、大ゲンカをしている若いカップルに驚いたり、そんな調子で公園をズンズンと歩いて行く。

 気がつくと、ずいぶんと歩いていることに気がついた。

 ダウリング侯爵邸の敷地内だったら、とっくの昔にへばっていたに違いない。

「環境がかわったからね。ものめずらしいというのもあるかも」

 アールに笑いかけると、彼の狼面がニンマリと笑った気がした。

 そういえば、アールの強面は侯爵に似ているわね。

 頭の中で彼らの顔を並べてみた。

 おもわずふきだしてしまった。

 そっくりすぎたからである。