Good day !【書籍化】

昼食を終えた三人は、早速ミュージカルに着て行く服を選びに行く。

「せっかくだしさ、みんなでコーディネート合わせない?」

大和と恵真が頷くと、野中は慣れた様子で行きつけらしいブティックに入って行く。

洗練された雰囲気の内装を見ながらソファで待っていると、野中がスタッフとやり取りしたあと、恵真に声をかけた。

「藤崎ちゃん、彼女が対応してくれるから」
「はい、分かりました」

恵真は立ち上がり、スーツを着こなしたスタイルの良いスタッフに近づいた。

エリーと名乗る彼女に「エマです」とにこやかに挨拶し、「女性フロアは二階なの」と言われて一緒に階段を上がる。

野中がある程度話をしたらしく、エリーは何着かドレスを恵真に見せた。

「ええー? ちょっとこれは……」

背中の大きく開いたブラックのノースリーブのドレスや、ウエストをキュッと絞ったサイドスリットの真っ赤なドレスなど、どれもセクシーで大胆なものばかりだった。

恵真が躊躇していると、エリーは「ミュージカルに行くんでしょ? あそこの劇場ならこういうドレスじゃないと」と言う。

それに野中と大和も、恵真のドレスに合わせたスーツを選んでいるらしい。

(だからってこんな大人っぽいドレス、私が着ても似合わないよ)

半泣きになっていると、とにかく着てみてとエリーが促す。

仕方なく恵真は更衣室に向かった。