順番に休憩を取り、いよいよロサンゼルス国際空港が見えてきた。

海外に来たー!と、恵真はテンションが上がる。

無事に着陸し、手続きを済ませて空港の外に出ると、恵真は大きく深呼吸する。

「はあー、ロスの空気っていいですよね」
「そうだな。いつ来ても過ごしやすい気候だし。藤崎、ステイでの予定はあるのか?」
「特に決めてないです。ランニングして、あとは適当にお店をぶらぶらします」

大和と恵真が話していると、後ろから野中の声がした。

「あのさ、せっかく珍しい三人組だし、今回のステイ一緒に過ごさないか?」

嬉しそうに二人の顔を見比べながら言う。

「え、俺はいいですけど。藤崎は行きたい場所とかあるんじゃないか?」
「いえ、特にないです」

野中は笑顔で頷く。

「よし!じゃあ野中プレゼンツ、すてきなロスツアーにご案内するぜ」

大和と恵真は、顔を見合わせて首をひねった。

ホテルに着くと、早速野中が二人を食事に誘う。

「いつもならCAと飲むけど、今回はパイロット同士、気兼ねなく楽しもうぜ」

そして三人で乾杯する。

確かに機長とこうやって色々な話をする時間は恵真にとっては新鮮で、普段疑問に思っている事についてあれこれと質問させてもらう。

しばらく熱心に大和と操縦について話をしていると、ストップ!と野中が手を挟んで止めた。

「仕事の話はまた今度。今はステイの予定を決めようぜ。明日さ、ミュージカル観に行かないか?」
「ミュージカル!行きたいです」

恵真は目を輝かせる。

「お、藤崎ちゃん食いついたね。佐倉もいいか?」
「もちろんです」
「じゃあ決まりな」