11時に東条と楽団員が到着し、すぐにゲネプロを始める。

朱里もMCとして参加した。

12時半から昼食と休憩になり、いよいよ14時の開演時間となった。

前回と同様に、子ども達は熱心に演奏に耳を傾けてくれ、朱里や東条の声かけにも答えてくれる。

最後には、指揮を振ってみたい子がたくさん手を挙げてくれ、東条は全員を舞台に上げた。

「行くよー、いちにのさん、はい!」

きっとコンサート中、東条の指揮を釘付けで見ていたのだろう、まるで本物の指揮者のように陶酔して両手を振っている子もいた。

楽団員も、子ども達の指揮に合わせてにこやかに演奏する。

客席からも大きな手拍子が起こり、アンコールまで楽しく盛り上がって無事に終演となった。

最後にロビーで楽団員や東条が子ども達を見送る。

「楽しかったー!」
「おもしろかったよー」

口々に感想を言ってくれる子ども達に、東条達も笑顔になる。

楽団員がヴァイオリンを見せながら説明するのを、じーっと食い入るように聞いている子もいた。

控え室で、瑛と東条は、記者からインタビューを15分ほど受ける。

全て終えてホッとひと息ついたのは、17時を過ぎた頃だった。

そのままホールの別会場で打ち上げとなる。