掠れるような小さな声で答えた瞬間、社長の腕の力が強まった。
それから私の顔を両手でそっと挟み、ぐっと持ち上げる。
視線が絡み合う。鼻先が触れるほどの距離。
「嫌なら、ビンタでもなんでも受け入れる。今なら……抑えられる」
苦しげに眉を寄せるその顔は、必死で自制している証。
けれど、そこから滲む色気に胸が高鳴り、思わず口をついて出た。
「……いや、では……ない」
その言葉を合図にしたかのように、社長の堪えていた糸が切れた。
次の瞬間、唇に唇が重なる。
初めての――キス。
私は目を見開いたまま硬直し、どうしていいかわからず、何度もまばたきを繰り返す。
余裕など一切ない社長の姿は、初めて見るものだった。
ぎゅっと抱きしめられたまま、いったん唇が離れる。
固まっている私を見て、社長が小さく笑った。
まるで宝物を抱きしめているように、愛おしげな笑み。
その笑みに胸がほどけた瞬間、再び重ねられる唇。
今度は優しく、柔らかく、体の奥まで溶けてしまいそうな――甘くて切ないキスだった。
それから私の顔を両手でそっと挟み、ぐっと持ち上げる。
視線が絡み合う。鼻先が触れるほどの距離。
「嫌なら、ビンタでもなんでも受け入れる。今なら……抑えられる」
苦しげに眉を寄せるその顔は、必死で自制している証。
けれど、そこから滲む色気に胸が高鳴り、思わず口をついて出た。
「……いや、では……ない」
その言葉を合図にしたかのように、社長の堪えていた糸が切れた。
次の瞬間、唇に唇が重なる。
初めての――キス。
私は目を見開いたまま硬直し、どうしていいかわからず、何度もまばたきを繰り返す。
余裕など一切ない社長の姿は、初めて見るものだった。
ぎゅっと抱きしめられたまま、いったん唇が離れる。
固まっている私を見て、社長が小さく笑った。
まるで宝物を抱きしめているように、愛おしげな笑み。
その笑みに胸がほどけた瞬間、再び重ねられる唇。
今度は優しく、柔らかく、体の奥まで溶けてしまいそうな――甘くて切ないキスだった。



