目尻から涙が流れて、枕を濡らしていく。

 どれくらい泣いただろう。身体中の水が全部涙となって流れ出てしまうくらい、ずっと泣いていた。

もう泣き疲れて涙も出ないと思っていたのに、まだ涙は流れ出てくる。

 もう、疲れた。全部疲れた。身体が重くて動きたくないのに、掃除や食事作りをしないと怒られる。

 私の存在ってなんなのだろう。私はなんのために生きているんだろう。

(死にたい……)

 強烈に湧き上がる負の感情。死にたいくらいなら、実家から飛び出て、大翔の元に行けばいいのに。自分でもそう思う。でも、できない。

 まるで呪縛のように、私の行動は操られる。

 昔からそうだった。嫌だと言って反抗すればいいのに、恐怖で身体が動かなくなる。

そして結局言いなりになる。まるで、そうインプットされたロボットのように。

 いっそ、私の感情なんて消えてなくなってしまえばいいのだ。

そうしたら、悲しいことも悔しい気持ちも、そして、恋焦がれる感情も失って、楽になれるのに。