【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

 ……捺美が『やる』と言ってしまった。

 あいつの性格上、一度口にしたら最後、必ずやり遂げるタイプだ。

大変な状況だからこそ燃える女。

こうなったらもう、やらせるしかない。

案の定、とんでもなく大変だったらしい。

『佐伯さんの仕事量は多くて大変だったけれど、桂木さんは別の意味で大変。とにかく雑だしミスは多いし、気づけば事務じゃなくて秘書になってる』

 連日残業が続いて体調が心配だったが、少しずつ慣れてきたのか、最近は早く帰れる日も増えてきた。

『桂木さんの扱い方がわかってきたの。トラブルになったら大変だけど、未然に防げるようになってきた。それに、桂木さんってなぜかお金持ちに好かれるから、一回の商談の額がとんでもなく大きいのよ。だから数をこなさなくても済んで、時間に余裕ができてきた』

 捺美はそう嬉しそうに話していた。

正反対の二人なのに、どうやら噛み合っているらしい。

むしろ公私ともに良い関係を築きはじめていて、捺美はどんどん明るくなっていった。

 最初は頭を抱えたが、結果的にはいい方に転がっている。