【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

  捺美が帰ってきた。最強の俺、復活だ。

 今なら世界だって獲れそうな気がする。

……なんて口にしたら、案の定、高城に仕事を山ほど増やされた。

あいつは鬼だ、容赦がない。

けれど捺美奪還に奔走してくれた功績を讃えて特別ボーナスを支給したら、目を輝かせて喜んでいた。可愛い奴め。

 捺美が戻ってきてから、色々なことが変わった。

 たとえば、捺美の父親。

正直に言うと、俺はあの人が好きになれなかった。

捺美の意思を縛りつける、まるでラスボスのような存在に見えていたからだ。

 だが、どうやら彼もまた被害者だったらしい。

娘が死を望むほど実家を嫌い、長年苦しんできたと知った彼は──なんと、行方をくらました。

 その知らせを受けた俺と高城は慌てて探偵を雇い、極秘で捜索を開始した。

再び捺美の前に現れ、余計なことを吹き込んで連れ去られては困る。

 捺美には彼が行方不明になったことは告げず、秘密裏に動いた。

そして三ヶ月後、ようやくその所在を突き止めたのだった。