【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。

「俺の大事な妻です。たとえお義父さんであっても、彼女を傷つけることは許しません」

「なにがお義父さんだ! 結婚の挨拶もせず、勝手に娘を奪った男に、認めるものか!」

 大翔は手を放したが、再び振り上げられてもすぐ守れるように鋭く視線を向けている。

「まあまあ、とにかく落ち着きましょう。立ち話より座って話した方がいい」

 高城さんの取りなしで、ようやく皆が腰を下ろす。

距離ができることで、殴られる危険も遠のいた。

 お父さんは大翔を見ようともせず、露骨に体を背けていた。

 そのとき、大翔が立ち上がり、深々と頭を下げる。

「結婚のご挨拶もせず、大変申し訳ございませんでした」

 思いがけない言葉に、お父さんが驚いて顔を上げる。

だがすぐに憤怒を取り戻し、声を荒らげた。

「謝って済む問題ではない! 親の許しも得ず、勝手に結婚など……そんな男に娘を預けられるものか!」

「違うの、それは私が……」

 思わず反論しかけた私を、大翔がそっと手で制した。

「いい、悪いのは俺です。お父さまのおっしゃることは正論です。反対に合うとわかっていながら、きちんと筋を通さなかったのは僕の落ち度です」

 形だけではなく、心からの謝罪だとわかる声音だった。

 お父さんはしばし黙り込み、やがて深くソファに腰を下ろした。